「それなら不思議なほどではあるまい。お前達は京都に居る数少ない退魔士達だ。
ぬえの一件以来、妖達が監視している可能性もあるだろう。」


透はそれも一理あると思った。


鎌鼬が言っていた通り、ぬえは歴史の文献にすら名を馳せる大妖怪だ。
それに付け狙われたまま生き残っていることは、ごく稀なことかもしれないからだ。



「つまりは、いつ襲われてもおかしくないって事だな…。」


透は月読の真意を悟って言った。


「それにしてもアイツ厄介ね…。」


忍が戦闘を思い出して言った。


「あんなにすばしっこいなら対策を練らなきゃ、次はアイツの言う通りに切り刻まれる可能性があるわ。」


「確かに…月読の体を借りてもついてくのがやっとだった。忍の言う通りだな。」


忍と透は月読の手当を眺めながら考えた。