木の上に止まった鎌鼬は、舌を出して馬鹿にした顔で笑いながら言った。

木の下まできた透は、上を見上げながら叫んだ。


「お前は何者だ!何故いきなり襲った?!」


「あ?別にどうだっていいだろーが、どうせ俺様に斬られて死ぬんだからよ!」


透の問いかけに鎌鼬は、がに股で木の上にしゃがみこんでダルそうに答えた。


「理由もなく襲うわけが無かろう!!」


月読が耳をピンと立てて怒った。



「いいねぇそのヒステリックな顔!すぐに泣き顔に変えてやるよ!ヒャハハハ」


「貴様ぁ」


「理由なんて単純だ、あの大妖怪『鵺(ぬえ)』が手こずってる人間を、俺様が殺せば名が上がる!俺様は目立ちたがりでね!死ねや」


最後にそう叫ぶと、鎌鼬は目に追えない位素早い太刀捌きで風を切った!
シャシャシャシャシャ