(…特に呼吸音は聞こえない…だが、なにかおかしい。風切り音が断続的に聞こえる!風は吹いてないのに!)


シュンシュンシュンシュン


「伏せろっ」


透は風を切る音が近づくのを聞いて、とっさに忍ぶと彩音を引き倒した!

その直後!頭の上を風が通り抜けて後ろの山へと向かったのを感じた!


「何だ」


透が山の方へ顔を向けると、木に大きな切り傷が付けられて枝が飛んでいくのが見えた!


「小僧油断するなこれは鎌鼬だ」

「カマイタチどこにいるんだ」


月読の叫び声にすぐに反応して透は聞き返した。


「人間の目で見るには追いつかんワシになれ」


そう叫んだ月読に向かって、透は即座に走り出した!