透達は辺りを見回してみた。

右手には山があり、それに沿って今まで歩いてきた道と、これから先の道が延びている。

左手には少し開けた場所と木陰があり、ちらほらと民家があるものの目立つ物は特になかった。

しかし月読はその方向に向かっての警戒を解いていない。間違いなく何かがあるのだ!


「今の何月姉の刀に刃物が当たったような音したわよ」


忍も荷物を下に置いて、巻物を片手に構えて言った。

彩音は反対の山側を警戒していた。


「何らかの攻撃がなけりゃ刀は抜かないだろ?気を抜くなよ!何か居るはずだ!」


透はそう叫ぶと、瞳を金色に変えて能力を引き出した。