それからしばらくして山を降りた透達は、荷物を抱えたまま長距離を歩くのを諦めてタクシーを拾うことにした。


しかし、この辺りは人が入る場所ではないため、極端に交通量がなかった。


「やっぱり観光地や人が居る場所じゃないとタクシーなんか居ないか…。
彩音達いつも買い出しすまなかったな。大変だったろ?」


透は長いアスファルトの道と、遠くに見える街並みを見て、すごい罪悪感にかられた。


「う〜ん、彩音は楽しかったよ?しーちゃんとお散歩して買い物してたから!後は山で採った山菜使ったりしてたからね!」


彩音は明るく笑って振り返った。


「ふふっ、気晴らしにはなったわね。」


「そう言ってもらえると少しは救われるな。それにしても少し疲れたな…。少し休まないか?」


そう言って透は近くの木陰を指さした。