ザッザッザッザッ…。


月読との訓練を午前中で切り上げた透達は、再び長い山道を歩いてマンションへと向かっていた。


「……………。オイ。」


透はもの凄い理不尽さを感じて呟いた。

確かに男手一つしかないため、重い荷物を持つのは当然だ。それに、付き合ってくれた双子にこれ以上の負担をかけたくはなかった。


(そこまでは分かる。)

「しかし、一つだけやっぱり変だ!」


透は呼びかけた相手に、考えていた言葉の続きを言った。


「何だ!さっきからやかましいのう!寝れんではないか!」


その返事は透のすぐ耳元から聞こえた。