ガチャガチャ…カチン…ギィ


   バタン


「おーっす、ただいまぁ!」


沙綺は靴を脱いで上がると奥に向かって声をかけた。


「なんだぁ?誰もいねーのかよ?」


リビングについた沙綺は周りを見渡してみたが、誰もいる気配はなかった。


「おっかしーなぁ、特に出かける用事ねーはずだけど。」

沙綺は独り言を言いながら冷蔵庫を開けた。


(うげ…何もねえ…おかしいぞ?忍が普段から切らせるはずがない!
どこかしばらく帰らない所に行ったって事だ。
つまり神楽も一緒か?)

沙綺は何か問題に巻き込まれていないか心配になって、式神を忍に向けて窓から飛ばした。