「…御館様、長い間修行に付き合わせてしまって申し訳ありませんでした。」
沙綺は帰り際の玄関で、白蓮に深々と頭を下げた。
白蓮の付きっきりで修行を受けていた沙綺だったが、技の威力や精度が安定したので、白蓮から認定許可が下りたのだった。
それで一度マンションに帰ることにしたのだった。
「ええんよ〜、ウチの子に私が稽古つけてやるのは当たり前やないの。」
白蓮はニコニコしながら沙綺に頭を上げるように言った。
「まだまだ修行は足りませんが、一度戻って街の様子を見てきます。
あまり長いこと連絡しないと神楽達も心配するかもしれないんで。」
頭を上げた沙綺はそう言って別れを告げた。
「そうやねぇ、あの子達をよろしくね。何かあれば使いをよこすさかい、しばらくのんびりしとったらええ。じゃあ気ぃつけてな?」
そう言って手を振る白蓮を後に、沙綺は屋敷を出てマンションへ向かった。