「では、続きじゃ。この呪符はこのままでは意味が無い…しかし。」


白蓮は言葉を途中で切ると、円形に囲まれた空間に素早く指を走らせて文字を書いた!


『縛』


指の動きが止まると同時に円の中に炎が走り、漢字が書かれた!

「ウグッ!」

その瞬間、円の向こう側にいた沙綺は息が止まるほどに身動きがとれなくなった!


白蓮はその状態の沙綺に向かって説明をした。


「これは符術士にも結界士並の空想具現化の能力を使うことが可能な技じゃ。
何もない空間にいきなりイメージを固める事はできなくとも、円形に貼られた呪符がその代わりを果たす。
その中に霊力を込めた印を切ることによって、限定空間における空想具現化が可能となるのじゃ。」


そう言うと白蓮は沙綺の呪縛を解いた。

沙綺は軽くせき込んだ後、今思ったことを言った。