白蓮は沙綺の言葉に決心して、話すことにした。


「空間を支配できる結界士は、空間を切り離すことも、その結界の中を消してしまうことも出来るということなのじゃ。この力がどれほど危険か分かるやろ?」


その結論を聞いた沙綺は、思わずのどを鳴らしてつばを飲み込んだ。


「一つ間違えば、自分すらも消してしまう。もしくは一生切り離された異空間から戻れなくなる、そんな無慈悲な力を簡単に教えることが出来ようか?
…それが極端に結界士がおらん理由じゃよ。」


そう言って白蓮はお茶をすすった。


沙綺は予想していたよりもずっと重い真実に、思わず沈黙してその様子を見つめていた。

(新たな力を欲して御館様に頼んだけど、俺の考えはまだ未熟だった…チクショウ!俺もまだまだってわけか。)

沙綺はそう考えて唇を噛みしめた。