透が自信なさそうに月読の方を見ると、今度は笑顔で答えてくれた。


「よし、契約がうまく結べたようだな。あやつは僧正の頃から神楽一族と共にあった妖だ…契約はたやすかったであろう?」


透は少し泣きそうな顔で月読に答えた。


「たやすいって…あんなヒントの無い会話ゴメンだぜ!」


透は素直に召喚士のことを尊敬した。


(あれより化け物みたいな奴らの契約って…想像つかないぜ。)


そして透はふと気が付いた。


「あれ?そういえばバタバタしてるうちに、月読の変化が苦じゃなくなってる…?」


月読は、透の呟きに耳をピクリと動かしてニヤケた。


「フフフ、次は犬神の能力を使いつつワシに触れる訓練じゃ。」


その言葉に透は凍り付いた。