透がしばらくの間、じっと炎に話しかけていると、炎の中に変化が起こった!


…ギョロ!


炎の中に獣の瞳が見えた!透は再びその目に話しかけた!


(そうだ、お前に話があるんだ!出てきてくれ!)


その瞬間、炎が一気に大きく燃え上がると、全身が炎でできている焔狐が飛び出して来た!


焔狐は透と少し離れた位置で足を揃えて座ると、透の頭にだけ聞こえる声で直接脳に話しかけてきた!


『ナニヨウダ…』


透は目を見開いて驚いていたが、目の前にいる焔狐を見て頭を振ると、気を取り直して答えた。


「お前には初めて会うな。…いつも感謝してる。」


「……………。」


何も答えない焔狐に対して透は続けた。


「…頼みがあるんだ。俺の呼びかけに応えて、戦う力に…!
お前を召喚させてくれないか?」