それから後少し歩いて行くと、目的の場所が見えてきた。

そこはきれいに整地をされた、小学校のグラウンド位の広さがある場所だった。

木製の建物も二軒有り、裏にはそこまでは大きくはないが、滝が流れていた。

確かにここならどれだけ暴れても音すら目立たないかもしれない。


「へぇ、いい所だな。遠野の里みたいだ。」

透は自然に囲まれたこの場所に親近感を覚えた。


「じゃあ、あそこまでとりあえず降りましょう。
足下に注意してね?」

忍は少し下り坂になった獣道をスタスタ進んで行った。


「なぁ彩音、お前達もあそこで修行してたのか?」

透は歩きながら彩音に聞いた。

彩音はツインテールをフワフワ揺らして進みながら答えた。


「もっちろん!召喚の練習できる場所なんて、あんまり無いんだから。」


(確かにそうだな…あんなでかいのホイホイ出されたらビックリだよな。)


「そっか…。」

透は呟くと、転ばないように注意しながら後に続いた。