深い深い闇の中…あの一条の光しか射し込まない空間…。

以前鵺が報告に来たこの場所に、ふらりと現れたのは妖艶な美女だった。


椅子にゆったりと腰掛けたこの空間の主に向かって、女はゆらりゆらりと歩みを進めた。


その様子を見ていた主はこう言った。


「よくここを見つけることができたな…。」


その声に反応して、女は立ち止まると首を傾けた。


「あら、心外ね。そんなに私から見つかりたくないの?」



「…クックック…どうかな?それにしても、お前に会うのも久しぶりだな。」

相変わらず深い影に包まれて、首から下しか見えない主は頬杖をついて言った。


「そうだったかしら?もう忘れたわ。」


「して?何の用だ。こちら側につく気にでもなったのか?」


その言葉に女は、全く困った人ねと言いたそうなため息をついた。


「貴方も相変わらず強引ね?私は誰にも縛られないわ。フフフ。」