「仲間にするか、もしくは殺すか…。」

白蓮が呟くように独り言を言うと、透は以前から気になっていたことを聞いてみた。


「奴等はなぜ、俺を執拗に追うんです?特に…仲間にするなんて…。」



白蓮は静かな眼差しで透を見つめて言った。


「貴方は人間です。しかしながら妖でもある。
…その血と体に妖を宿す人間。
その者が妖に力を貸したらどうなる?」



「どうなる?…すみません、おっしゃる意味が分かりかねます。」

透は白蓮を見つめたまま首を振った。


「妖憑きと言われる者は2種類に別けられるのじゃ。
1つは、妖に操られている者。
もう1つは、自分の意志で妖を操る者。」

「2つ目は神楽一族のことですね?」


「そうじゃ。しかし、妖が人間に取り憑いて動かしている時の退魔はできても、神楽のように自らの力としている者の退魔はできないのじゃよ。」

「確かに…神楽に取り憑く妖はすべて霊体や思念体ですから、払うことはできませんね。」


それを聞いて白蓮は頷いた。

「つまりウチら退魔士に対して一番の切り札になるのじゃ。
同じ人間は殺せない上、能力は妖と同じ。
そんな相手とやれるかぇ?

白蓮は目を細めて見た。