少し沈黙した空気が流れた後、透が白蓮に訊ねた。

「白蓮様、少しお聞きしたいことがあるのですが。」

「なんじゃ?」

白蓮はいつもと変わらない緩やかな口調で聞き返した。


「鵺の目的です。奴が俺に言った最後の言葉と、今回の襲撃がどう考えても繋がらないのです。」




「…確か、貴方の処遇については、一度組織に戻ってから判断すると言っておったんよのぅ?」



「はい。だから逆に不思議なのです。
数の少ない俺達を狙った方が好都合じゃないのかと。」




確かに透が言うことは一理あるなと白蓮は考えた。

確かにあのずる賢い鵺が、本部を潰しに来たという理由だけで、半身を失ってまで結界に入り込むなんてするだろうか?

他に何かの理由があったか、時間がなかったのか…。



どちらにせよ、一考する価値のある内容だった。