翌日


当初の計画通りペアで別れて、それぞれの目的へ透達は向かった。

買い物は帰りがけにする予定なので、屋敷へはタクシーを利用した。



屋敷に着いた透達は、相変わらず悲惨な屋敷を見て、顔をしかめた。

白蓮は、来訪者の事を考えてか、隔離結界を門の所だけ解除していた。
おそらく補修が終わって元通りになるまでは、解かないつもりなのだろう。

確かに屋敷は大きいため、外観が一夜にしてここまで壊れると付近の住人も不審に思うからだ。


一般人が急に来ないように、門には門番の役をした退魔士が、それとバレないように掃除をしていたのを先程見かけた。


透達は、未だに血の跡が残る庭を横切って、白蓮の部屋まで近道をした。

その間に式神を使って補修作業に当たる術者や、自らバタバタと動いている者とすれ違った。

昨夜透達が居ない間に起こった戦いが、いかに激しい物だったのか考えると、間に合わなかった自分に透は苦い思いだった。