ベッドから降りた彩音は透の腕を掴んで引き起こした。
そして背中を押して廊下を歩かせた。


「え?あ?何だ?へ?」

まだワケが分からない透の声を無視して、彩音は自分の部屋の前にやってきた。


「じゃあ次はお兄ちゃんが起こす番だよぉ!中にいるお姫様を起こしてきて下さい。でわ!」



ガチャッ



そう言って彩音は、ドアを開いて透を中に押し込んだ



バタン



「よし、これでしーちゃんも気持ちよい目覚めができて幸せだぁ!うんうん!」

一人ご満悦な彩音は、納得いく仕事を終えたような顔でリビングへ向かった。


そして、テレビをつけて数分後のリビングに…。





忍の怒声とともに、鼻血を出しながら逃げてくる透の姿があった。