「猿面虎身蛇尾の…ぬえ。」

つぶやく白蓮の前に現れたのは、その名の通り怒りと憎しみに満ちた表情の猿頭を持ち、しなやかで強大な力を秘めた虎の体、そして、噛みついた者には死の猛毒を与える蛇の尻尾をつけた妖だった!

それを見ていち早く動いたのは御影だった!

鵺の周り四カ所に呪符を放つと、光の正方形が鵺を取り囲んだ!

「滅魔結界符術弐之型禁」

素早く印を切った御影が術を発動させた!


グォォォォオオオオ

呪符に囲まれた空間が光で満ちあふれ、中にいる鵺の体を圧縮した!

体中の至る所から血を吹き出しながら鵺は絶叫をあげた!

「よしやったか」

「まだじゃ。そうやすやすとやられるような妖ではないわ…気を抜くでない。」

喜ぶ御影を制した白蓮の表情は険しいままだった。

グォォオオガァア

ドォォォオオオオン

その瞬間、鵺の妖力開放に打ち負けた結界が爆風とともに解けた!

「なに」

驚く御影の前には血だらけだが滅ぶことなく鵺が立っていた!