その時、上空では沙綺の放った式神が様子を見るために旋回をしていた。

たが、隔離結界術により周囲一帯から切り離された屋敷は、外から見ても何も変わらないようにしか見えなかった。

静かな屋敷、いつもと変わらない綺麗な庭。
全く異常は見あたらない…。




その様子を式神の目を通して見た沙綺は、屋敷の状況を透達に言った。


「今、式神が着いたぞ。
特に何もないようだけどなぁ?静かな夜だ。」


透は少しホッとした様子で言った。


「それならいいんだ、何となく嫌な予感しただけだから。」

そう言うと透は助手席に体重をあずけた。


「平和に越したことはないわね。私達は後どれくらいかかりそう?」

忍が退屈そうに聞いてきた。
彩音は隣で安らかな寝息をたてている。

沙綺はルームミラーでその様子を見て答えた。


「ん〜、夜だから以外と早いな、後30分から1時間ってとこじゃないか?」