土蜘蛛は炎上しながらも原形をとどめてない顔で言った。


「ヤクメハ…ハタシタ…スデニ…。」

まだ続きがあるようだったが、それより先に灰となって崩れ落ちてしまった…。

透達は緊張のあまり止めていた息を吐くと、荒く呼吸をした。


「はぁはぁ、今、何か言いかけなかったか?」


「はぁ、ん…。確かに言いかけてたな?」

沙綺と透は息を整えて立ち上がった。

振り返ると彩音達が鬼達を元の光の文字へと、戻しているのが見えた。


「沙綺、お前が勝てないって言った意味が分かるわ。あんなの相手に出来るかよ…。規格外だぜ。」

透はげっそりした顔で双子を見ると、沙綺だけに聞こえるように言った。


「だろ?俺らなんてデコピン一発で頭が飛ぶぜ?あいつらキレたら半端ねぇぞ?」

沙綺も同じくゲッソリとした顔で言った。

喜んでじゃれあってる双子の女の子を見て、女は怖いと心に刻んだ透であった。