『ヌルイワ』

土蜘蛛は口からネバネバした液体を吐くと、向かってきた狐火をまとめて消滅させた!


「くっ…正面からじゃ無理か」

透は挟み撃ちにするため、土蜘蛛の後ろへ向けて駆けだした。



その頃双子の召喚士は、既に行動を開始していた。


忍と彩音は太股に取り付けたホルスターから、細い巻物を取り出すと、手のひらでクルクル回して一気に開いた!

何も書かれていない巻物から青い光の文字が浮かび上がると、声をそろえて言霊を読んだ!



『悠久の時より目覚め、彼の者を討ち果たせ!我が盟約に応えよ前鬼』

『悠久の時より目覚め、彼の者を討ち果たせ!我が盟約に応えよ後鬼』


その言葉に呼応して、青く光る文字が形を変えて大きな鬼が現れた!


大きさは土蜘蛛に引けを取らない体格で、前鬼は右手、後鬼は左手に巨大な薙刀を持っている。

染め抜きの袴を身につけ、裸の上半身には太い締め縄が交差して巻き付いていた。



ゴァァァアアア


2体の鬼は雄叫びを上げるとズシンと地響きをさせて薙刀を構えた!