透達が見上げた先にいた者は、先ほどの初老の男ではなかった!


高さは175センチの透の倍近くあり、横幅は10メートルはある虎の顔をした巨大なクモ!
長く鋭い牙からヌラリと光るよだれを垂らして、透達を威嚇していた。



「土蜘蛛かよ熟練の退魔士がやられたワケが分かったぜ」

沙綺は体勢を整えながら叫んだ。


土蜘蛛と呼ばれた妖はぎこちない話し方で言った。

『ジャマナタイマシ、ココデシネ』

言い終わる間もなく土蜘蛛は身を引くと、再び飛びかかろうとした!


「俺と神楽が時間を稼ぐ!忍達は召喚を急げ」

沙綺はそう叫ぶと自分達の前に数枚の呪符を投げて印を結んだ!


透は狗神の能力で身体能力を上げると、一気に土蜘蛛に向かって飛び出した!


「骨も残さず燃えろ」

叫ぶのと同時に透の周りに火の玉が浮かび、一斉に土蜘蛛へ放たれた!