(彩音が言ってることに間違いはない)

忍は振り返って男達を見た。
タイマツの光でゆらゆらと見える顔は、全員無表情で顔に生気がない。

忍は歩くスピードを落として男達に近づいた。

手近な男に話しかけてみたが返事はない。
暗くてよく分からなかったが、よく見てみると数人の服が黒く染まっているのが見えた…。


(血もしかしてこの男達…死人)

忍は背筋に凍りつくような寒気を覚えて、彩音の場所まで追いつくと言った。


「彩音、よく聞いて!先頭に歩いている男は妖よ!!
後ろから来る男達は死人だった。
あの男が叫んだのは、屋敷に結界があって入れなかったからよ。」

「」

それを聞いた彩音は勢い良く忍と男を見比べた。


「じゃあ早くお兄ちゃん達に知らせなきゃ!!」


「しっ!大きな声出さないで!」

忍は彩音の口を押さえて小声で続けた。


「時間的にみて、もうすぐ目的地のはずよ!そこについたら彩音は二人を呼んで説明して。
時間は私が稼ぐから、お願い!」


「うん!分かったしーちゃん!手短に話すよ!彩音頑張る!」

彩音がまじめな顔で頷き返す頃、山を抜けて開けた場所へたどり着いた…。