「誰かが近づいてくる」

沙綺は顔を跳ね上げると皆にそう叫んだ。

「妖か数は」

透は立ち上がると沙綺に問いかけた。



「いや、待てよ?人間?…タイマツを持った人間だ。村人か?」


「村人さん?忘れ物したのかなぁ?お家借りてるの怒られちゃうね。」

彩音は箸をくわえたままのほほんとしている。
忍は持っていたお椀を置くと一言付け加えた。


「もしかしたら妖が化けているかもしれない。
油断は出来ないけど、もし本物の人間なら妖に狙われる可能性が高いわ。」


「放っては置けないってわけね!」

そう言って沙綺が立ち上がった時、外から声が聞こえた。


『退魔士様居られますかー!?この村の者ですが!』

その声を聞いて透達は目を合わせると、外にいる村人の話を聞くことにした。