「何よ?そんなにビックリすること言った?」

沙綺の大げさなリアクションに思い当たることがなく、忍は逆に聞き返した。


「ゴクリ…忘れ物しちまった。」


「何だ沙綺?お前呪符忘れたとか言わないよな!?」

透が慌てて聞き返すと、沙綺は頭を横に振った。


「じゃあ何よ!?」




「クマのぬいぐるみ…あれがないと忍が寝れ…ハブォ」

  ドカァァアン

力一杯蹴り飛ばされた沙綺が吹っ飛ぶのが見えた。


「さぁ、バカは放っといて一度外に出てみましょう。」

忍は何事もなかったかのように振り返ったが、少し慌ててるように透は感じた。


(忍はヤッパリあれないとだめなのか?)

透は彩音と目を合わせると、2人で忍の後を追った。