「別にビビってるワケじゃねぇけどよ。
普通なら俺たちみたいな霊力の高い奴らが集まったら、すぐに喰いに来るもんだろ!?」

沙綺は両手を肩まで挙げて、サッパリだといった動作をした。


「確かにそうね…。妖は霊力の高い人間を好む傾向がある。
それならここは一番の餌場よね?」

忍は眉を寄せて考え込んだ。


「しーちゃん、妖もきっとお腹一杯なんだよ。」

彩音が持ってきたポッキーをカジりながらそう言った。

透は次第に暗くなりつつある空を見ながら言った。


「暗くなる前には仕留めたいな。夜は奴等の時間…むしろ逆に待ってるのかもしれん。」

沙綺達は透を見つめると頷き返した。


「最悪泊まりになるな。一応食料は持ってきたが。忍はどうだ?」

沙綺はリュックの中を確かめると忍に聞いた。


「私は近くの村って聞いたから、特に何も持ってこなかったわよ?」

その言葉を聞いて沙綺はしまった!といった顔で振り返った。