曜日は土曜。
「ちぃー、買い物行く?」
お母さんが私に聞いてきた。
「どこー」
素っ気なく返事を返す私に
「しまむらっ」
その言葉を聞いた瞬間立ち上がり服を着替え玄関に向かった。
私は服屋さんが大好きで服を買いに行くと言うと必ず付いていく。
お店に入った私が一番最初に思ったのは、
オーディションで着る服だった。
自分の夢をまだ誰にも話していない私は服選びが楽しくなってきて
一番可愛い服を探し始めた。
一時間後お母さんの元へ持って行ったのは茶色のチェック柄で下が少しヒラヒラしてるやつだった。
「これ買って!」
「えぇ~ちぃ、これ着る~?」
そんなお母さんの言葉を無視して私はカゴの中へ放り投げた。
絶対今のが一番可愛いし、
オーディションするときこれ着て行こ!
計画性のない私はまた先走ってしまった。
オーディションして合格するなんて決まってないのに…。
家に帰るなり買ってもらった服をハンガーにかけ大事に保管した。
何を思ったのか、その服を早く着る時が来ると、想像していた自分がいた。