高校受験のことでどうするか先生に聞かれたとき、私は答えられなかった。
中学を卒業することで義務教育が終わる。
ということはもう働くことができるということ。
お金を貯めれば少しでも芸能界に近づける。
そう考えたら高校に行ってる場合ではない、と思った。
進路の先生に就職しますと言ったのは、少し前。
「どうして?」
と聞かれたとき私はこう言った。
「成績が悪いから高校に行けないし、これから頑張って高校に行けたとしたら、学費を払うのはお母さんだから」
先生はこう言い返してきた。
「成績が悪いっていうならこれから勉強すればいいじゃん。学費だって払ってくれるよ」
だから私は言った。
「あたしには夢があって、その夢を実現させるにはお金が必要なの!かといって、高校に行っても働けるってことは知ってるけど、働いたお金で学費を賄ったら働いた分の給料がほとんど学費のためだけになって、3年間意味がないような気がするんです。それに中学卒業して義務教育から卒業するんだから、ある程度お母さんに迷惑かからないようにしたいし」