「溶けてないよ。

目に見えなくなって
いつかまた雪として

戻ってくるの。」








外を見ても
人、一人いないのに

聞こえてきた声。









「あなたは、雪の精?」





以前、どこかで
聞いたことがあった

――雪の精。



いるはずないのに、

心のどこかで
引っかかっていた、

――雪の精。






不思議とリンクして

白い空を見上げて
呟いた。