帰りのエレベータの中で、ニコニコ爽やかな笑顔を振りまく彼の顔を見つめながら、ふいに出た言葉が、 
 「彼女いるんですか?」 

 だった! 
 
 即答で! 
 
 「いない!」
 
 私は、満面の笑みを返した後に。 
 「じゃあ、連絡先交換とかしません?」
 
 そう、口走ってた! 
 
 自分でも、何でこんな積極的になれたか分からない! 
 
 彼も、満面の笑みで。 
 
 「はぁ〜い。」
 
 そう、返してくれた! 
 
 
 それから、一時間くらい。 
 
 彼の名前が、金屋純平であること。 
 
 年齢が26才であること。 
 
 O型であること。 
 
 この辺に、住んでいること。 
 
 
 犬を飼っていること。 


 夏さんとは、仕事の取引先であること。 


 色々、身の上を語り合った。 

 
 「明後日の日曜日、犬の散歩に行こう」
 
 
 そう、約束をして。 


 私は、友達と帰った。