「勝った…」 「愁の勝ちだああ!!」 見ていた全員が 拍手を送った。 あたしはホッとして 座りこむ。 が、 ホッとしたのも束の間。 「愁!?」 その場が一瞬で 静かになった。 愁はフラりと 倒れてしまったのだ。 「愁! ねえ愁! しっかりして!!」 愁のもとに駆け寄り 手を握る。 愁はギュッと 手を握り返して言った。 「…あかね」 そして愁の手からは 力がぬけた。 「愁!!!」