黒沢の差し出したカレーを、思い切って口に入れる。

あっおいしい。
と同時に、これって間接チューだ、と気づいた。

「おいしいね!」
「そうかそうか」
黒沢はおもしろそうに笑っている。
いや、間接チューとか、中学生じゃないんだから…
気にもしないよね?と思って青木くんを見た。

青木くんは
「よかった」
とひとこと言って、いつもの笑顔だった。