突然の声に驚いて、あたしはぐしゃぐしゃにしたまま顔を上げた。 涙で視界がぼやける。 「黒沢……?」 その人は、あたしと目線が合うようにしゃがんで、笑った。 「ひでー顔。」 「なっ………なんであたしの部屋に来るの!出てってよ!」 あたしは咄嗟に赤くなった顔をおおって、黒沢を突き飛ばした。 けど、黒沢はふらつきもしない。 さっきとは違う、真面目な顔をしてあたしを見た。