もう10月だというのに空にはギラギラと輝く太陽

砂は人が走る度に舞い上がり、あたりを曇らせる

スタートラインのすれすれに両手をつける

生徒席からは歓声の黄色い声が俺を呼んでいる

両隣には学年でもかなりの俊足が並んでいる

ピストルの合図と共に皆で飛び出す

黄色い声は一層激しさを増して、悲鳴のようにも聞こえる

今俺の前には一人、俺のすぐ後ろにはもう一人

足音が聞こえる程近くにいる

俺は前の一人に確実に近づいている

しかしゴールもすぐそこ

最後のコーナーで追い付いて、並んで外側を走る

黄色い歓声は更に激しさを増す





ゴールテープに触れる感触がした