『コイツが学校のトップだ…』



みんなそう直感したらしく、京平が荒瀬君にボタンを返してイスに座った。



「おいおいおいおい、揉めんなよ。俺の目の前でケンカしたら停学だぞ」

「あっ、ごめん。で、俺の席はどこだっけ?」

「そこだ。じゃ、ホームルーム始めるぞ~」



すごい人が来ちゃった…。



いや、それより、あたしはすごい人とキスしちゃった…。



キス…キス…キス?



「今のってあたしのファーストキス~!!」

「バカ林檎っ!!」

「えっ!?あっ!!もうイヤ~…」



教室中が笑いに包まれてる中、チラッと荒瀬君の方を見ると口元の傷を親指で触りながらクスッと笑った。



わ、笑った…。



ドキッとするな心臓!!



あたし、本当に彼が好きなの?



「お子ちゃま卒業おめでとう」

「モモっ!!」

「キャハハハハッ!!いいじゃん、超イケメンで美味しそ~。見た目、あっちもうまそうじゃん?」

「あっち!?」

「エッチ」

「ばっ、バカはモモでしょ~…」



今日は厄日…。