あたしが止めるのも聞かずに階段を降りてった虎君…。



慌ててあたしも後を追った。



「お前誰?」

「姉ちゃんの彼氏です。ヨロシク」

「勝手にしろよ」

「ヨロシク」

「いっ…」



虎君がガシッと掴んだ腕…。



絶対力入れてるでしょ…。



「と、虎君…?」

「カッコイイね、弟君。あっ、虎之助です」



痛そうな顔をしながら頷いた弟…。



お父さんとお母さんにはバレてないみたいだけど…。



「ひ、久しぶりだね海里(カイリ)…」

「変わんねぇな林檎!!チビはチビだな!!」



よかった…。



あたしに向ける笑顔は昔と変わってない…。



「あっ、ごめんね突然帰って来ちゃって…」

「別に~。ここお前んちじゃん。じゃ、俺は部屋に戻るから」

「うん…」



髪の色が金髪になってて、あたしが家を出るまではピアスなんかしてなかったのに…。



「困ったわね…。ごめんなさいね、虎之助君…」

「いえ、平気ですよ。なんか…大変そうですね。気持ちはなんとなく解る気がしますけど」



キラッと目が輝いた両親…。