シーンと静まり返った教室で瞬きだけしか出来ないあたし…。



真っ白な頭…。



き、キスされた…。



「あ、アメリカ人かっ!!なーんてな…?」



先生のツッコミが寒いだけで…。



みんな、なにが起こったのか一瞬わからなかったみたい。



「お前…ふざけんなよ!!」



そう言ったのは朝に話し掛けてきた京平。



ガタッと立ち上がって戦闘体制。



その京介の言葉で目の色が変わった荒瀬君は京平に向かって何かを投げた。



「しきたり、だっけ?倒した相手のボタン取って来るんだろ?転入の挨拶」

「お、おい…。これって…尾崎のボタンって菊だよな…」

「尾崎?なんかそんな名前だった。他の3人はたいしたことなかったから」

「お前が…尾崎を…」



学ランのボタンに入ってる菊の紋章は尾崎先輩のもので…。



代々受け継がれてるこの学校の男子のしきたり…。



そのボタンを取られたらもう下に着くしかないって…。