慌てた林檎はモモに付き添ってもらい、産婦人科へ。



その日の夜、神妙な面持ちで会社にやって来た。



「できてたか」

「うん…」

「なんでそんな顔してんだよ。嬉しくねぇの?」

「不安なんだもん…。虎君お家に帰って来ないし…。結婚式も今からだし…」



俺だってそれなりに頑張るっつーの…。



あぁヤバイ。



俺、親父になんのか…。



今は林檎を支えてやんなきゃ…。



「結婚式のことは俺に任せとけばいいから。ゆっくりしとけ」

「でもあたしが奥さんだよ!?忙しい虎君の代わりにあたしが頑張らなきゃダメだよ!!」

「なにプレッシャー感じてんの?」

「虎君の奥さんになるってそういうことでしょ!?」



家がデカイ会社だからか…。



林檎の言ってる意味はわかるけどバカ…。



「お前は家と結婚すんのか?」

「えっ?」

「お前がいくら不出来な嫁でも俺がいいって言えばいいんじゃねぇの?」

「…………」

「な?俺も出来る限りサポートするから。泣くなチビ」



そんなに考えてくれてたなんて知らなかった…。