【林檎】



専門学校の入学式ってアッサリしてる。



誰が同じ科とか、そんなの全くわからないまま、偉い人の話しだけを聞いて終わってしまった。



会場になってた体育館を抜けると、一台の四駆。



真っ黒で虎君にはピッタリの車。



いつの間にか免許なんか持ってたんだよ…。



あたしが知らない間に取ったんだって…。



「待った!?」

「かなり。せっかく時間裂いたのにお前は俺を待たせんのがそんなに楽しいのか」

「ご、ごめん…」



明日は虎君が入学式。



仕事を落ち着かせたからこれからは結構楽みたいなんだけど…。



「ったく。マジでヤローばっかりじゃねぇか。片っ端からボッコボコにしてやろうかコラ」

「あたし女のコしかいない学科なんだけど…」

「うるせんだよ。こんなに待たせやがってクソチビが」



相当ストレス溜まってるみたいですっ…。



冷や汗がでちゃう…。



些細なことでケンカになっちゃいそうだからヘタなことは言わないでおこう…。