人の人生を背負うなんて俺に出来るんだろうか…。



でも俺が今まで積み上げてきた実績や努力は無駄にしたくない…。



「よくわかりません」

「だろうな…」

「はい…」

「前に新太郎に同じことを言った。アイツは『覚悟はあります』と」



俺も口先だけでそう言えばよかったかも…。



でも祖父さんはそんなの見抜いてしまうはず…。



やっぱり俺は新太郎には勝てないのか?



「『しかし、副社長としての覚悟しかありません』そう答えた」

「えっ!?」

「それが新太郎の器の広さだ。実績、経験、新太郎はお前と互角だ」

「はい…」

「でもお前をサポートして行きたいと言った。それが3年前、今のお前と同じ歳」



そんなのウソだ。



アイツがいいヤツなわけない。



今まで散々突っ掛かって苦しめられて来た…。



それが3年前にサポートに徹する覚悟をしてたと!?



信じられない。



「私は疲れた」

「どんな…意味ですか?」



初めて聞いた祖父さんの弱音…。