マンションの最上階のワンフロアが祖父さんの住居スペース。



このマンション自体が母ちゃんの実家。



ホテル並の設備と対応受けられる高級マンション。



まずは執事さんに挨拶して、中に入れてもらった。



あぁ~、俺はやっぱりこの人が怖い…。



「お久しぶりです、虎之助です」



こっちを見ずに窓から外を眺める祖父さんにビクビクした。



シカトかよ…。



「こっちへ来い」

「はい…」



呼ばれるがままに祖父さんの方へ行くと、窓の下には無数の人間。



アリみたいに見えるサラリーマンやOL達が昼時のビジネス街を歩いてる。



「これ以上だ」

「はい?」

「今見えてる人間の倍以上がお前の背中にのしかかる。その人達の人生を背負って行く覚悟はお前にあるのか?」



正直、そんなことを考えたことがなかった…。



新太郎に負けたくないがためにとか、偉くなりたいとか。



そんなことばっかり考えてた…。