その日は泣きつかれてご飯も食べないまま寝てしまった。



ずっと隣で頭を撫でてくれる虎君の温もりを感じながら…。



明け方にトイレに行きたくて目を覚ますと虎君はいなかった。



冷たい布団…。



虎君がいた形跡がない…。



階段を降りてトイレに向かう途中のリビング…。



メガネをかけてパソコンに向かうパパさんと書類を見てる虎君の姿…。



英語で話しててなに言ってるかわからない…。



「ん!?林檎チャン!?」

「あっ、と、トイレ…」



カタッと椅子から立ち上がった虎君に手を引かれてトイレに連れて来られた。



こんな時間に仕事…?



「虎君…あの…」

「悪い、もう寝るから。早くトイレ行け」



『なにも聞くな』そんな雰囲気を漂わせてた…。



トイレの前で待ってくれてた虎君はリビングでパパさんにまた英語で話しかけ…。



あたしの手を握って部屋へ向かった。