絶対怒ってる…。



虎君が怖い…。



そのまま車に乗せられたあたしも口を聞けないまま…。



「家まで頼む…」

「任せとけ~」



柴田君が運転手に指示を出し、無言のまま虎君ちに向かった。



握ってくれてる手で伝わる温もりは今日は感じない…。



「んじゃ、明日」

「おぅ」

「巻き込んで悪かったな…」

「お前のせいじゃねぇよ。気にすんな」



柴田君にそう言った虎君だけど、物凄く悲しい目をしてた。



これは怒ってるんじゃなくて悔やんでるんだ…。



初めて気付いた…。



「シャワーでも浴びる?寒いから風呂にすっか」

「虎君も一緒がいい…」

「俺はすることあるから」

「なにするの!?なんか考えてるの!?」

「林檎が心配する必要はねぇよ。安心して入って来い」



ひとりでバスルームに行き、服を脱いだ。



縛られた手首にくっきり着いた赤い痣…。



ボサボサの髪…。



そこで初めて恐怖感に襲われた…。