ガシャンと近くにあったガラスのテーブルにデジカメを投げ付けた柴田君。



その瞬間、虎君があたしを拉致ったヤツらを一瞬で片付けた。



「お、お前ら…ただで済むと思うなよ!!」

「済むよな?千景と俺を敵に回したら二度と…再起不能!!」



鈍い音と共にあたしを殴った男が横に倒れた。



柴田君があたしの口のガムテープを剥がしてくれて、縄を解いてくれた。…。



やっと息をいっぱい吸えたような気分…。



「殴られた?」

「うん…」

「よっしゃ、林檎の分っ!!」



倒れてる男を思い切り蹴った虎君はもう一発殴った。



そしてポケットから取り出した財布…。



「治療費、払ってやるよ。金ねぇだろうからな」



そう言って何枚かのお札を男の上にバラ撒いた。



そしてあたしを抱き上げた虎君はなにも言わずに…。



本当になにも言わずにあたしを部屋から出した。