だけど事態はそんな簡単なことじゃないみたい…。



「兄貴、マジでアイツやれんだろうな」

「おぅ、荒瀬の弱みはコイツだからな。必ず来る」

「千景のヤローもマジでムカつくけど荒瀬も許せねぇ…。バカにしやがって…」



全く状況が理解できないまま、あたしはその光景をただ見てた。



絶対泣くもんか…。



虎君は絶対助けてくれる…。



「この女、ヤっちゃうか」

「先に?」

「そっちの方が楽しいだろ。俺、待つの嫌いだしな」



えっ…。



6人掛かりでベッドに押さえ着けられたあたしの体は抵抗なんて出来るはずもなくて…。



「荒瀬の女とヤれると思うだけで燃える」

「んんんん~!!」

「へぇ~、キスマーク…。見かけによらずやることやってんだな」



気持ち悪い…。



助けて虎君…。



助けてよぉ…。



足を押さえるひとりの腕の力が弱まったから思い切って蹴り飛ばした。