しばらくして片付いたらしく、俺の側に駆け寄ったのは翠…。



「お前すげぇ血っ!!」

「もう平気…。中に林檎いんだわ。電話してくんね?」

「病院行くか!?」

「おぉ、笑えるくらいぼやける…」

「待て待て!!光輝!!救急車呼べ!!」



そんな大事にすんなよ…。



俺、体だけは頑丈だから…。



そこでプツッと意識がなくなった。



林檎が泣くんじゃねぇかな…。



あぁ、親父に怒られる…。



警察が入ったらなんて言い訳すんだ?



ん~、祖父ちゃんの耳には入りませんように…。



これが夢の中で思ったこと。



そのままなにかが抜けてくような…。



まさか魂!?



えっ、俺死ぬのか?



こんなちっぽけなケンカで死ぬくらいなら最後に林檎と…。



林檎と…。



なにするんだ?



林檎は彼女…。



俺が大好きな彼女…。