最悪な場面を目撃したのはそんな険悪な状態だった時。



昼休みにモモと向かった学食で…。



「ねぇ、行こうよ~!!」

「どこに?」

「ラブホとか~、家とか!!」

「ヤらせてくれんなら行く~」

「虎なら全然OK!!」



先輩に言い寄られた虎君がそう言ってた。



本気で浮気するつもりなの?



「ちょっと林檎、あの女ぶっ飛ばして来ようか」

「いいよ。あたしなんかそんな程度だってことで…」

「マジ言ってんの?彼氏の浮気公認するくらいならヤらせりゃいいじゃん」

「ははっ、だよね~…」



でも気持ちが欲しいもん…。



両想いで結ばれたいとおもうあたしはかなり乙女チックなんだろうか…。



「林檎、今日浮気する」

「…………」

「いいんだよな?浮気したって」

「知らないもん…」

「あっそ。その程度かお前の『好き』は」

「虎君だって体目当てじゃん!!」

「ふぅん。泣いて後悔すんじゃねぇぞ」



止めるなら今しかない…。