獣化した奴は、素早く体を返し
四肢を使い体制を整える。

その動きといえば、
もはや人間のものでは、
なかった。

間伐おかず、地を蹴り
攻撃をしかけてくる。

その凶器と化した鋭利な爪は、
何の躊躇いもなく、
俺とモニカの喉笛を狙い、
振り下ろされる。

俺達は、寸前でバック転で、
攻撃を交わした。


それでも・・・

モニカは、ゴウを
殺す気は無いらしい。

彼女が、腰のホルダーから
抜き構えたのは、鞭だった。

接近戦を避けるための道具。

野獣が、自然界では
弱肉強食である様に、
ゴウは、必然的に、モニカに
狙いを定める。

武器を扱い慣れたその両腕は、
自らの身体の部位を
余すところなく駆使して、
彼女の喉や首を狙い
高速の攻撃を繰り返す。

「銃を使え!!
お前、死にたいのかっ!
肉弾戦で勝てる相手じゃ
ないんだ!」

「ゴウを殺す理由が、
私にはないんだよ!!」

あらゆる種類の攻撃と格闘を
計算されつくし設計された、
この狂気の城は、
広く感じるこの通路ですら
タイマン仕様で、
タイミングを測って
加勢を試みるが、
出来たもんじゃない。

くだんねぇモンに
金かけやがって!!