「何で・・・

電話でいわなかったの?!
軍指令?!
機密事項の扱いだから?!」

彼女は、混乱してる。

それが証拠に、
脈絡のない
質問をしてる。

何が起こって、
どうするべきか?

頭の冷静な部分が
分析を試みている。

でも、明らかに
情報が不足していて。

質問すら
ままならない様子だ。


「盗聴されると
マズイからだ。」


一方で、男は冷静に言って、
一通の紙を見せる。


「死亡届・・・私・・?」


「お前には、
俺の指示に従ってもらう。

嫌とは言わせない。」


「どうして・・・?!」


女の声が、かすれて
震えている。


私には・・・
生存の自由すら・・
それすらもないのか・・・?

絞り出す様な
小さな声が、
その唇から
零れる。

「モニカ、ついてこい。」

目の前の、傲慢な程の、
男の指示どおりに
女の身体は、動いてしまう。


かつて、
上官だった
その男の言う通りに。


完全に、思考は、
停まってるのに。


そこに、彼女の意志は
ない。